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01:定山渓鉄道  
定山渓鉄道 2400系クモハ2400 
定鉄2400系 車両解説

幌市営地下鉄との相互直通乗り入れを行う事によって、「温泉地へ向かうローカル私鉄」から「大都市近郊私鉄」への脱皮を図ろうとした定鉄であるが
それまで保有していた車両はすべて地下線乗り入れに対応していなかった。一部は札幌市営地下鉄の同型車両を購入する事になったが、オールアルミ
二車体連接と言う特殊な構造ゆえすべてを高価な新車でそろえるわけには行かず、やむなく主力となる車両は親会社である東急から余剰車両を導入することに成った。

 東急が当初提案した車両は長野電鉄へ行く予定が長電側が拒否したことで宙に浮いていた3450系であった。この車両は車体更新によってA-A基準(運輸省が定めた
地下線あるいは長大トンネルを走るための車両の防火基準) を満たしていたが、長電と同じく吊り掛け駆動方式のため騒音が激しいことや、既に完全新造車両になる事が
決まっていた札幌市営の車両に比べて見劣りする事から、定鉄側も拒否する事と成った。変わって提案されたのが、長野電鉄と同じ「青ガエル」東急旧5000系である。
この車両はカルダン駆動式で騒音も比較的静かである事や1M方式で小回りの効く編成が組める事、110kwと比較的強力なモーターを装備して加減速能力も
優れていることが利点となった。

 長野よりさらに過酷な環境である北海道での運用、さらに地下鉄乗り入れと言う事もあり仕様改造は殆ど手探りであった。
本州とほぼ変わらない仕様の車両が今まで走っていた定鉄であるが、最高速度が向上することによって条件がよりシビアに成ることが予想された。
さらに導入が決定した当時、札幌〜旭川間特急に用いられていた485系1500番台のトラブルが問題になっており、抵抗制御車両の導入自体を疑問視する声すら
定鉄社内には存在したとも言う。このため定鉄では車両供給元となる東急および東急車輛、さらには711系電車で北海道に置ける高速電車の運転実績を持つ
国鉄北海道総局にも協力を仰ぎ、既存車両を北海道で用いるための策を思案することとなった。

 基本的な改造内容は当時設計が始まっていた長野電鉄用車両に準じたものとなったが、地下線内を走る上では必要となる抵抗器の自然通風化が問題となった。
485系1500番台は雪による抵抗器の障害を見越して強制通風式抵抗器を採用していたが、それでも吹き込んでくる北海道特有のパウダースノウによるスイッチの
ショートやフラッシュオーバーが後を絶たなかった(こういった事を見越して当初から北海道専用として設計された711系は主制御系にサイリスタ位相制御を採用して
徹底した無接点化を図っていた)。当然、強制通風式の抵抗器を採用している5000系においても同様の問題が発生するものと予測されたが、地下鉄線へ乗り入れる
事も考えると自然通風式へ交換するべきなのか、強制通風式のまま対策するのかが問題となった。
  このため、1976年3月に5000系電動車のデハ50002両を先行試作車モハ5391、5392として改造し、定鉄線内において長期試験に用いられる事となった。
この時、5391は抵抗器冷却用のファンに711系のものを参考とした雪切り装置を追加したもの、5392は自然通風式抵抗器であるが、各種接点を徹底して
シーリングし、必要な部分には逆にヒーターを取り付けた特別なものを用意していた。
 この2両による一冬を越しての試験は随時反映され、1977年9月、正規型車両となる2400系が東急車輛長津田工場にて完成した。
 なお余談だが、この試験は先行して設計が行われていた長野電鉄2500系にも反映されている。
抵抗器周りの設計は5392のものと同じ自然通風式で、大型のフェアリングによる雪の吹き込みを防御する改良が加えられた。
地下鉄乗り入れを前提としているため、「青ガエル」のイメージを定着させた制御電動車デハ5000ではなく中間車である
デハ5100、サハ5350を主なベースとして改造されたが、両数が不足することからデハ5000型も電装解除されるなどして改造されている。
前面形状は一新されA-A-A基準を満たす関係で当時最新鋭である東急8500系に準じた切り妻の前面貫通扉を備えた姿から
鉄道ファンの間では「平面ガエル」と呼ばれることと成った。
全面的にこの平面フェイスを採用した5000系譲渡車は他には存在せず、岳南鉄道は非貫通湘南フェイスを新造して取り付け、熊本電気軌道や松本電気鉄道
では片側のみ簡易改造で取り付け、と言うケースになっており定鉄のような4つ目前照灯と言うのは非常に珍しい。
これは当時国鉄711系が吹雪での視認性向上を目指しての4灯化を実験しており、その実験結果が反映されたものと思われる。

 改造点は床下全体を覆う断熱構造フェアリングの取り付け、抑速ブレーキ追加。改良型抵抗器へ交換、主電動機のシーリング構造化
ベンチレーターの押し込み式への交換、ドア部へのエアカーテン装備、暖房の強化と雪対策を目的とした電動発電機の大容量静止型インバーターへの交換と
バッテリー容量の増大 、ブレーキ性能向上に伴うコンプレッサーの交換、ドアの半自動化、一部側窓の固定化、下段窓枠の固定化
台車枕ばねの空気バネ化、軸箱バネのエリゴバネ化、 主電動機のSE-518(110kw)から新型電動機SE-626型(120kw)への交換。
歯車比変更、パンタグラフの下枠交差型PS102への交換等十数か所に及び、 ほぼ新造に近い手間がかかっている。
それでも新規建造に比べれば6割程度の価格で済んでおり、コストダウンと言う観点においては十分機能したとも言えるだろう。
なおSE-626型電動機は形式こそ同じであるが、長野電鉄向けのものよりコイルの巻き方を強化することによって出力を向上させている。
これは札幌市営地下鉄1000系が国鉄711系と同じMT54A(150Kw)モーターを装備しており、可能な限り性能を合わせる事が
ダイヤ編成上要求されたためでもある。

 2400系は1977(昭和52)年11月から随時札幌に搬入され、クモハ2400(制御電動車:デハ5000/5100改造)+モハ2450(中間電動車:デハ5000/5100改造)
+クハ2400(制御車:デハ5000/サハ5350改造)の3両編成が7本、増結用の両運転台車クモハ2450(デハ5000改造)6両が開業までに配備された。
その後1982(昭和57)年に簾舞〜定山渓間の 線路強化・ATS対応が終わると定山渓まで足を伸ばすようになり、ここでドアの半自動化が役に立つ事となった。
なおこの際、それまで「デハ」「モハ」「モ」などとバラバラで有った定鉄の車両形式名は国鉄のそれに準じた形式呼称へ変更されている。

 登場から20年以上過ぎた現在、急勾配と寒さと言う過酷な環境は東急時代を含めると40年以上になるこの車両に各種トラブルを併発させており
石狩線開業により5000系が登場した頃から順次廃車されていった。最終的に2004(平成16)年10月までに元相模鉄道5100系および2100系改造車である
5500系が本線新琴似〜簾舞間及び石狩線運用に、元南海電鉄高野線22001系改造車である2700系が真駒内〜定山渓温泉間に就役し、最後まで
残っていた3両編成2本、 計6両も運用撤退。ついに定鉄線上から赤ガエルの姿は消えた。これは現在も運用されている熊本電鉄を例外とすれば
地方私鉄へ譲渡された東急5000系の中では長寿の部類に入る。運用終了後は3両編成一本が緑ヶ丘車庫に保存されているほか、2001年に
トップナンバーのクモハ2401が厚別区大谷地の札幌市交通記念館に、3両編成1本が小樽市手宮の北海道鉄道記念館でコロ1型と共に保存されているのは救いであろうか。
  試行錯誤状態で始まった極寒冷地での運用。それに耐えて30年近い年月を走りぬいた2400系は間違いなく定鉄再生の立役者であり、その名前は
地方私鉄譲渡の東急5000系の中でもひときわ輝く存在として記憶に残ることであろう。

「最後の秋」 2420F 2002年晩秋 簾舞〜豊岡信号所間
(illustrated by nabe様「銀路画報」)
定鉄2400系 各車両外見図

■コメント
 捏造歴史世界定鉄の新主力車両、東急初代5000系改め2400系です。
70年代末〜80年代の地方私鉄車両としてはベタベタもいい所ですがこれ以外の選択肢は実質ありえないんですよね。何せそれほど急勾配ではないにしても勾配が多く、しかも地下鉄へも乗り入れると成ったらこれ以外の余剰車両ってのが何処にも無いんですよ。
 そういう点では定番と言うことでご了承いただきたく思います(笑)
  改造内容は長野電鉄の2500系の内容に準じてますが、捏造世界車両の一つの特徴である床下カバーがポイントです。
前面デザインは東急8500系+長野OSカー0系と言った所で、711系に合わせて4灯化してます。アルミ製アンチクライマーは踏切事故対策のバンパーの役割も持って居たりしますけどね。 側面図をVer.2.0へ変更するに当たり、実際の初代5000系形式図に基づき比率を変更してみました。これでだいぶ見やすくなったと思います。

塗装は定鉄標準塗装の朱赤と白を基本にして赤の面積を増やし、だいぶ近代的なイメージにしてみました。 模型で再現するとしたら白は小田急の電車に近いアイボリーホワイト、赤は…朱赤の色合いのたとえが難しいですが、京急よりは明度を高くしたものだと思ってやってくださいませ 。

車両詳細
製造初年 1954(昭和29)年 台車形式

TS-301B型台車

改造初年 1977(昭和52)年 電動機・駆動形式 SE-626(120kw) 台車装着直角カルダン駆動
全長(連結面間距離) 18500mm パンタグラフ形式 PS102B(直流用下枠交差型)
全幅 2700mm 制御方式 電空カム軸/抵抗制御
全高(パンタ折り畳み面) 3640mm ブレーキ方式 CLE電気指令空気ブレーキ/発電ブレーキ併用
重量 29.2t(Mc)/28.0t(M)/21.0t(Tc)  在籍両数 クモハ2400:7両
  モハ2450:7両
  クハ2500:6両 
乗客数 140人(Mc/Tc)/150人(M)     
製造メーカー 東急車輛株式会社    
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