捏造歴史1・定山渓鉄道2003

03-02 車両解説
02 札幌市営地下鉄 Sapporo City Subway
札幌市営地下鉄 3000系
札幌市営地下鉄3000系車両解説

オリンピックを目前に控えた1983(昭和58)年11月、北24条〜新琴似間延伸開業用に1000系全8連化完了と合わせて導入された新規増備車両。市電郊外線との車両共通運用計画がなくなったことから、オーソドックスな20m3扉オールアルミ車体の採用となった。

すでにラッシュ時には北24条〜真駒内間で首都圏並の乗車率を記録し、藤野〜真駒内間もかなりの乗車率となっていた時期に3扉とは無理に思えるが、当時はまだ開口面積の大きな4扉車体の気密性確保と雪対策の技術がなっておらず、妥協策として広幅扉による3扉が採用されることとなった。

車両のディメンション(車体全長・窓・扉位置等)自体は同時期、同じ東急車両で設計製造されていた西武鉄道3000系のそれに準じているが、側面窓が一段上昇式2連窓であったりするなど、北海道向けのアレンジが隋所に施されている。前面デザインは1000系の流れをくむオフセット貫通扉方式だが、時代の変化なのか直線基調のややいかつい印象となり、下部ライトガーニッシュ部分のステンレス製飾りルーバーや登場当時に装着されていた「北海道をバックにSマーク」の装飾などから「デコトラ」とも言われており、プレーンな造形の多い札幌市営車両としては例外的に灰汁の強い造形をしている。

制御系は1000系で実績のあるサイリスタ電機子チョッパ制御+HS-22436-03RBモーターに勾配抑速ブレーキ。台車も1000系両端部台車であるTS910の改良型TS910A2を履くなどシステム面ではオーソドックスにまとめられられているが、主制御系を除けば採用されている機器類に関しても西武3000系と共通したものが多く、事実上の兄弟車と言える要素が多いだろう。だが、8両固定編成を基本として4両1ユニット構成となっている西武3000系に対して、こちらはMcMTTMMcの6両固定あるいはオールM4両編成運転を前提として3両一ユニットでの運用が可能になっている。

乗客サービス面でも1000系の運用結果を反映して、札幌市営交通では初めての冷房装置が搭載されている。これは地下鉄・定鉄高架区間の駅の多くがポイント保護のために熱のこもりやすいシェルター構造を採用しており、夏季の晴天時に地上区間を走っている際、窓開口面積の小ささもあって定鉄2300型以来の「乗り物酔い客」を多数出してしまったことの反映とも言える。なお、3000系の増備と合わせて1000系にも冷房装置の搭載が行われたのは言うまでも無い。

1983年に6連4本が導入。オリンピック後の真駒内・石山・藤野地域の人口増大に合わせて1986(昭和61)年にも2編成増備が行われた。この86年増備編成のうち1本(3050F)は国鉄が分割民営化、高架開業後の札幌圏導入をにらんで設計していた新型近郊型電車(のちの721系)のステンレス車体テストも兼ねてステンレス車体で設計され、さらに多扉車のテストのため中間2両のT車3200型が4扉車3500型へ変更されている。だが、気密対策の観点でスポット溶接を増設したもののまだ不十分であった設計のため気密性が低かった事、試験的に導入されたヒートポンプ式冷暖房装置が能力不足であり冬季の運用で「冷凍車」とかげ口を叩かれる始末であり、早期に3500型は新規製造の3200型へ置き換えられている。このことがのちに4扉車(5000系/6000系)導入に際して、政治的事情をひっくり返してE231系ベース車両を退け、日立A-Train規格車導入が決まった理由の一つだとも言われている。

2003(平成16)年以降、制御機系をサイリスタチョッパから5000系と同様のIGBTサイリスタ+HSV-02J誘導モーターへ交換し現在も1000系・5000系に混じって運用されているが、将来的にホームドア設置が予定されているためドア位置の大きく違う3000系は余剰になる事が確定している。だが、寒冷地向けの頑丈な車体と手ごろな3扉ロングシートという構成、ベースとなった西武3000系に比べて中間T車を先頭車化改造することで3両で運転可能なことから、試験的に1編成が2+1固定クロスシート化の上、静岡県の伊豆急行で現在運用についている。

「元札幌の電車が伊豆急へ」と言うことはマニア間で話題となっているが、かつて東急グループ内で期待されていたものの、バブル崩壊後の伊豆地域観光地盤沈下で見る影もない伊豆急と、廃止がささやかれていたころはお荷物とも言われていたが、バブル崩壊後も沿線宅地開発と手堅い経営で収益を得ている定鉄のコントラストを象徴するもの…と言う皮肉なものも感じさせる譲渡である。
札幌市営地下鉄 3000系3050型

■コメント■

史実の地下鉄東西線6000型および南北線3000系に当たる存在である南北線増備車3000系です。

正直、6000型に相応する存在は出すべきか悩みました。東西線をLRTにした時点で本来なら必要ない車両ですからね(笑)まぁ、6000型引退記念も兼ねて「南北線増備車」として用途としては3000型に当たる存在として出してみました。フォーマットは13.5m連接・18m3扉・20m3扉・20m4扉が考えられたのですが、20m四扉は5000系まで出さない、と決めたし18m3扉は輸送力の面で行き詰まりそう…と思案しているうちに20m3扉で落ち着きました。

登場時期(1983年)だと西武鉄道3000系というちょうどいいベース車両もあるし、このフォーマットが一番「鉄輪の6000型」に近いかも・・・と思い作成。全面は6000型そのままにすることも考えましたが、1000系がオフセット貫通扉で出たのにセンターに戻すのはちと変だし「定鉄」と「札幌市営」のみわけを付ける記号として「貫通扉の位置」は重要だよな…と思い、6000型のパーツを組みかえてオフセット貫通扉を構築してみました。なんか西武6000系に似てるかも(笑)

伊豆急への譲渡…ってのはよく言われている「伊豆急がなければ定鉄が生き残っていた」と言うネタと、最近の伊豆急の経営困窮っぷりをひっかけて…だったりします(笑)いや、洒落にならない話ですけどね…。「元北海道の電車が伊豆で走っている」って結構面白い風景だと思うんですがね…さて、どんな色でぬりますかね(ぇ

車両詳細
製造初年 1983(昭和58)年 台車形式 動力台車:東急車輛製TS-910型台車
(乾式円筒軸案内方式)
付随台車:東急車輛製TS-920B型台車
(乾式円筒軸案内方式)
改造初年   電動機・駆動形式  HS-22436-03RB (150kw)
 中空平行軸カルダン駆動TD継手
全長(連結面間距離) 20,000mm(二車体連接時27600mm) パンタグラフ形式  PS-102B(直流用下枠交差型)
全幅 2850mm 制御方式  電動カム軸発電制動及び勾配抑速制御付き
 電機子チョッパ制御(1C8M)
全高
(パンタ折り畳み面)
4,246mm ブレーキ方式  電磁直通空気ブレーキ/回生ブレーキ装備
重量

38.2t(3000)/37.5t(3100)/29.5t(3200)

運転最高速度
(加減速度)
 110km/h(加速3.3km/s 減速4.4km/s)
乗客数 139名(座席60+立席79) 在籍両数  6両編成6本 計36両
製造メーカー

東急車輛株式会社 横浜工場
川崎重工 神戸工場